俺は一体何者なのか、どう生きて、何処へ行くのか。
いつだってそれが問題だ。
俺はほとんど浮つかない。
そう見えているときはそう見えるよう振る舞っているときで、心底浮ついた記憶などもう思い出せない程だ。
自問自答の繰り返しの中で鏡を覗けば、憤怒と悲哀をない交ぜたような醜い顔がそこにはある。
そしてひとつ笑って見せる。
あらゆる物事を嘲笑してみるのだ。
ほとんど理解されない。
しかし間違っているとは思えない。

だからひとり、ひとり行くのだ。
隣に誰かが居てくれるとしたら、大概の場合それは妥協や打算や怠慢や自惚れ、その他諸々の狡猾な本性を偽善で誤魔化した美しくない戯れ合いでしかない。

自己を突き詰めると限りなくひとりの近似値に向かってしまう。
そんなことは十代の頃からもう分かっていた。
とうの昔から。

我々よ、ひとり行け。


かずゆき