いわゆるネット右翼の大半は個人的怨嗟や現状への不満の発露であって、愛国心に根づいていないようだ。そういうものは衣食足りれば自然に消えていく。少々不安なのはそういう大人たちの愚痴のようなものを聞いて育った世代の国際的な基礎認識の偏向である。
　例えば、韓国にシェアを奪われ苦境にたった業界に勤務する親を持つ子供は毎日のように彼の国の悪評を聞かされるかもしれない。その世界ならではの刺激の強い内面も含まれる。知的な親ならばそれを直接子供に話すことはあるまい。だが、思わず漏らした言葉にはそれなりの威力がある。
　子供の意識が偏向していくことがもたらすその後の展開が心配である。