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ミチルの日記

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からっぽの頭で

2010/02/15(月)
「尿中の赤血球」

赤血球は、言わずと知れた血液成分です。健常成人の尿中にも、5〜6視野に1個は認められます。

 ただし、正常髄液に赤血球は全く含まれません。これは、赤血球は腎臓から尿に排泄されても、髄液(脳脊髄の保護・栄養補給などの働きをする)には必要ない・回らないからかなぁなんて考えてます。


 赤血球は中央がへこんでいて、核はなく、白血球より小さく、酢酸や低比重尿で破壊されやすいです。尿沈渣で赤血球と見誤りやすい成分には脂肪球・シュウ酸カルシウム(ビスケット状)・酵母様真菌がありますが、10%酢酸を滴下して消えたら(壊れて見えなくなったら)赤血球だと判断できます。


 低比重尿とは、比重(ある物体の質量と、それと同体積の標準物質の質量との比)が低い、つまり正常な尿と比べて質量が低い(重さがない、尿素などの固形成分が少ない)尿のことです。つまり、低比重尿は正常な尿に比べて固形成分が少なく、水分の割合が多いわけです。低比重尿の赤血球は、浸透圧により水分が流れ込み、膨脹します。低張尿となり、膨脹の限界が来たら破裂してしまいます。逆に高比重尿では、赤血球は水分を尿に搾り取られ、コンペイ糖状になります。


 健常成人の尿中にも少しは見られる赤血球ですが、腎臓の糸球体病変・尿路の腫瘍・結石などでは多数認められます(尿の放置などで赤血球が壊れた時などは除きます)。尿沈渣中の赤血球が脱ヘモグロビン状、大小不同、多形成を示す変形赤血球が認められる場合は腎糸球体からの出血(糸球体病変)が疑われます。


 尿沈渣の赤血球の個数と、尿潜血反応は正の相関を示します。ただし、例外はしばしばあります。


 低張尿で赤血球が壊れた場合や、ヘモグロビン尿とミオグロビン尿では潜血反応陽性ですが、尿沈渣赤血球が陰性となります。逆に、潜血反応が陰性で、なおかつ赤血球数が20〜30個/HPF(強拡大)の時は、尿中アスコルビン酸や亜硝酸塩などの混入で潜血反応が偽陰性を示したと考えます。ちなみに、潜血反応が偽陽性を示すのは、過酸化水素・サラシ粉・次亜塩素酸の混入などによります。


 尿潜血反応はヘモグロビンを用いたペルオキシダーゼ様反応です。ペルオキシダーゼ反応とはPOD反応の事で、尿糖試験紙検査にも用いられます。平たくいえば、色源体を過酸化水素で酸化させる反応です。還元物質が混ざると反応が進みません。酸化物質ではその逆です。


 長々となりましたm(__)m

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