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蹴猿日記

2008/07/01(火)
「ユーロ2008優勝スペイン」

毎回のように優勝候補と挙げられながら国際大会ではなかなか良い成績が残せないスペイン。今回のユーロはそんな大方の予想を覆す結果となった。

最初から最後まで自分達のサッカーを頑なに貫き通して見事に結果を出した。なかでも徹底されたチーム戦術は目を見張るものがあった。
私個人の意見としては個の技術をベースにし圧倒的なポゼッションで試合をコントロールするパスサッカーが、世界一とも言える屈強なフィジカルを備えた強者ドイツを見事に圧倒した事が非常に嬉しかった。
何よりも創造的な美しいパスサッカーは観ていて感動さえ覚える。

例年のように今回もまた非常に高い個人技術を擁するスペイン代表。

まず決勝戦でも値千金の決勝ゴールを決めたフェルナンド・トーレス。
一瞬で前を向く鋭さは他のFWの群を抜く。自分で仕掛けるプレーは少々雑な時もあるがスルーパスに反応して抜け出す速さは非常に秀でている。
また気付かれにくいが切り替えの早さも兼ね備えており、ボールの受け方やヘディング時等のポジショニングも抜群だ。

ロシア戦でも相手のキーマンであるサイドプレイヤーを見事に封じ込め、底無しの運動量と類い稀なる危険察知能力でことごとくピンチを打破するセルヒオ・ラモス。

GKとしては決して高くない身長でも、他を圧倒する反応の良さで試合を引き締めるカシージャス。名門レアルマドリードで長年に渡り正GKを守り続けている実績はダテじゃなく、世界一のGKと言われるツェフやブッフォンに少しも引けをとらない。

その彼等を含めた闘将プジョル率いるDF陣の、集中力を一時も切らさない懸命な守備があったからこそ、攻撃的で創造力溢れる才能豊かなMFが輝けたと思う。
シルバ、ビジャ、イニエスタ、シャビ、セスク、シャビ・アロンソら甲乙つけ難い中盤の選手達。その高い技術を惜しげもなく披露し、見る者を魅了するパスワークで相手を翻弄してしまう。

しかし何よりも誰よりも素晴らしい活躍をしていた選手は、ワンボランチで中盤の守備を一手に引き受けていたセナだと私は確信している。
正直私はこのユーロが始まるまでセナの事をあまりよく知らなかった。それが恥ずかしく思えた程、彼のプレーは最高に素晴らしかった。

ボールコントロール、運動量、カバーリング等どれをとっても超一級品。特に相手が攻撃を仕掛けるポイントを読み、それをいち早く潰すプレーは圧巻の一言。
今大会のMVPはシャビだったようだが私はセナこそが相応しい活躍だったように思う。また1番株を上げた選手はロシアのアルシャビンではなく彼だとも思っている。

事実彼はそれだけの活躍を十分に行っている。えてしてボランチの守備は地味であまり目立たないものだと思われがちだが、現代サッカーでは非常に重要…いや最重要といってもおかしくないものなのだ。
それはスペインがチーム戦術として行い全ての相手を苦しめた、高い位置でボールを奪ってのカウンターに繋がっている。
簡単に言えばソコでの守備が攻撃の起点になるのだ。
そういう意味では試合をコントロールしていたのはシャビではなくセナなのだ。

スペイン戦をDVDやビデオに録画している方がいれば、もう一度セナに注意して見ればよくわかると思う。
彼が毎試合どれだけ敵の攻撃の芽を摘んでいるか、また彼のプレーはどれだけレベルが高いのかが。

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