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kasugadotsuboの日記

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2010/09/21(火)
「パロディ:遊星にゃんシリーズ。」

 この物語はパロディです。嫌いな方はそのままスルーしてください。

遊星が手の差ひらサイズの子猫仕様になります。何のことはない、遊星さんに黒猫の耳としっぽが生えてミニマム化しただけです。
 ミニマム化する条件は、夜ふかしのしすぎ。疲れすぎ、食事抜き過ぎ。いろんな条件が重なるとちびネコ化します。実は不動博士もそうだったという説もあったり…。
 ツイッターで盛り上がったネタからきていますので、遊星にネコ耳が生えて、小さくなって、ブルーノ(だけじゃない)が溺愛しているお話です。好きな方だけどうぞ!!


『雷が怖い遊星にゃん』
<その1 ブルーノ編>


ピカッ!ゴロゴローッ!!ドーン。
この繰り返しになって、数分が過ぎた。

ガレージで作業していたブルーノは、ふと近くに居た遊星にゃんが居ない事に気づく。

「あれ?どこに行ったの?遊星〜、遊星〜。」

ピカッ。ゴロゴロ。

ゴツン★
「痛っ。」

明らかに雷に交じって異音がした。
その音の発生源に近づくと、そっと工具棚の隙間を覗く。
そこには、頭を抑えて蹲る物体がフルフルしていた。

「こんなところに入り込んだら危ないよ、ほらおいで。」
ひょいっと首根っこを捕まえると、遊星にゃんを引っ張りだし、そっと抱っこする。
頭を抑えて涙目になっている上に、雷が怖いせいで、耳がピッと後ろに倒されている。

これを見て可愛いと思えないのは、神経が通っていないんじゃないかと思う。

痛そうだし、怖がってるんだから、こんなことを思うのは不謹慎かもしれないけど、
物凄く可愛い…。

「あ〜あ、コブになっちゃってるよ。あんな所に入り込むから…。ポケット空けておいたのに。」

「…ブルーノの邪魔をしたくなかったんだ。あんなに真剣な顔で作業してるから…かっ、雷くらい。」
自分で我慢しようと思ったらしい。

「僕は、遊星がそばに居ない事の方が、気が散っちゃうけどな。こんなふうに、コブを作っちゃったりす
るかと思うと、もう雷の日は作業できなくなっちゃう。」

話をしている間も、ひっきりなしに雷は鳴り響き、そのたびに遊星にゃんはブルーノの服を掴んでは震えていた。

「ネコになっちゃうと、人間の数倍は感覚が敏感になるし、動物は自然を一番恐れるものだからね。ライオンだって、
雷が嫌いなんだから。子猫の君が遠慮する事は無いんだよ。」
ラップで作った小さな氷嚢でコブを冷やしてやりながら、ソファに座ると胸の上に遊星にゃんを乗せて空いた片手で
背中を撫でてやる。

遊星がネコ化するようになってから、ブルーノのジャケットの左胸内ポケットからは工具が消えて、
ハンカチが一枚入っているようになった。

毎日洗濯したものと入れ替えているが、アイロンは掛けていない。
その方が柔らかくて居心地が良いだろうから…。

「…大丈夫だよ。あと、小一時間もすれば鳴りやむから。それまで、ホラここにおいで。」
ジャケットの内ポケットを示せば大人しく頭から入って行った。尻尾の先が、ポケットの入り口に残っていたが、
器用に中で向きを変えると、ハンカチを見つけて包まったようだ。

ジャケットの上から、遊星にゃんがいるあたりをポンポンと軽く叩くとポケットの内側越しに擦り寄る仕種を
しているのが解る。

<かわいいなぁ…。>

どうしても顔が緩んでしまうのは抑えられない。
そんな顔のまま、ジャックのWOFを整備し続けるブルーノだった。


それを見かけたジャックが、怒鳴るまであと数分。
「貴様!!そんな惚けた顔で俺のWOFを整備するなっ!もっとシャキッとせんか!シャキッと!!」

「え〜、そんなこといわれてもなぁ。」
ブルーノが反論っぽくない反論をしつつ、胸ポケットを指さすと、そこがモゾモゾと動いていた。

「…遊星か。」
「そう。だから、そんなに怒鳴らないでくれるかな。雷だけでも相当怖かったみたいだから。」
宥めるようにポケット越しに撫でてやる。

「雷…。わかった。邪魔をしたな。」
あっさりと引いたジャックを訝しみながら、ブルーノは整備を終えるとポケットを覗き込んだ。

「遊星、寝てるの?」
返事がない。

「寝てる…。と言う事は、元に戻るかな。僕も休憩しよう…っと。」
急に体温を離すと、目を覚ましてしまうケースが多いことから、そっとポケットから
ハンカチごと遊星にゃんを取り出すと、ジャケットを脱いで遊星にゃんを胸に抱えたままソファに横になる。
ジャケットは自分が被っているが、にゃんこはしっかりと懐に居るので元に戻れば、遊星にも掛るはずだ。

「おやすみ。僕が言える事じゃないけど、もうすこし夜更かしは、自重しようね。」

つづく。

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