TVなど全く見なくなって久しい自分だけど、それでも最近のトレンドの空気はネット程度でも十分伝わってくるので別に不便はない。

これを”流行”と括ってしまうのは何とも気の毒だけど、最近、「原発関連」の官邸前のデモがすごい規模になっていると言う話は良く目に付く。

いつの間にか東だけでなく西でもでデモが増えている話は聞くし、”原発問題”をこのまま放置するのは今後のために良くないのは、「明日はどうなるかわからねーよ！」的に生きている絵描きの自分にもヒシヒシとその切実感は伝わってくる。。なのだけど…本音を言うなら、東ほどの緊迫感は自分には未だにないんだよ。

人は「他人ごと」ではなく「自分ごと」になった時に初めて最大限の努力でそれを乗り越えようとするもの。東京までならいざ知らずそれより東と関わりがある訳でもない
なんて、冷たいことを！と憤慨する人もいるかもしれないけど、それじゃ、バブル崩壊時に学校を追い出されて、実家の家とインコのお墓まで奪われ、闇金に親の連帯保証人として追い掛け回され、命の危険まで感じたワタシに誰がその時、手を差し伸べてくれた？
もし知ったら「可哀相ね」ぐらいは思っても、所詮は「他人事」で直ぐに忘れていただろう。

何故「震災」で「被災」だと「可哀相」で「借金」で「一家離散」ぐらいだとそういうこともあるんだろう、「珍しくもないし」で終わってしまうのか、「目に見えても」無視できる感性と「皆でデモができました、歴史的なことです連帯です、絆ですうおーー！！！」とか言っている連中の感性との”日常的な隔たり感”が余りにもありすぎて、どう反応して良いのか判らないのかもしれない。

「お祭りの絆」と日常的な「繰り返される排除」との乖離が
ワタシの気持ちを沈ませる。

大体、何か災害や戦争が起きた時、一番に割を食うのはその「日常的に無視」されて排除されている
”貧困層”や”セクシュアル・マイノリティー”などの「いつも他人事」にされる階層カテゴリーではないのか、それなのに、それは「無視」したままで、何かの「連帯」ができましたなどと言っている人は何を見て、どう思っているのか、正直、距離を置いている。

勿論、それがきっかけで「人に優しく」できましただけでも効果はあるのかも知れない、
それでも正直、今のワタシは『大勢が騒いでいる』ぐらいに眉をひそめる某首相よりもひょっとしたら、ずっと遠いところにいるような気がしてならない。

デモを見てもまだ「心」は遠い、それを「近い」と偽れないほどに、それでも目を逸らすのだけはよそうと思う、
それは新たな「排除」に手を貸す近道になるかもしれないからだ。