累計アクセス:118059
Webの「枕石漱流 日記」の携帯出張版です。
2009/07/05(日)
「[格言]夏目漱石(2)」
「偽善者でも何でもよい。表面を作るということは内部を改良する一種の方法である」
人間の表に出るものを、ユング心理学では「ペルソナ」と呼びます。
ペルソナとは仮面のことです。
我々は社会でうまく暮らすために、仮面を被るんですね。
仮面を被っているようなものなのです。
社会で暮らすのにちょうどいい、仮面を被るようなイメージです。
☆
仮面を被るというと、イメージが悪いかもしれませんが、
我々は、多少嫌なことがあっても笑ったりもするし、
ニヤニヤしたいところを、澄ましたりもするし、
そういう風に、内面を仮面の下に隠して生活する部分があります。
そうでないと、うまく社会で生活できません。
☆
この仮面と内部が癒着してしまうと、それはそれで問題なわけですが、
仮面を被るのを拒否するというのは、それはそれで問題なんですね。
どういう問題かというと、それはまるで裸で外を歩くようなものなんです。
中身が外に出てしまっている。
嫌な時は嫌な顔をし、
笑いたい時は笑い、
腹が減ったら腹が減ったと言い、
こういうのは、素晴らしかったり、必要であったりもしますが、
「いつもそう」なのも、困りものです。
☆
「偽善者でも何でもよい。表面を作るということは内部を改良する一種の方法である」
適度な仮面を被ること、
その過程で、偽善者的になること、
そういうのも、あっていいのではないでしょうか。
仮面を被ったり、
仮面を脱いだり、
そうやって、人間は、内面をも成長させていくんです…