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⇒石に枕の携帯日記

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Webの「枕石漱流 日記」の携帯出張版です。

2007/10/24(水)
「地球へ…23 ふたつの要素」

キース・アニアンは思う――

「人間は強欲で、愚かな生き物だ」
「絶対的な強制力の下でしか、自らの欲望を抑えきれない」
「だから、SD体制が布かれたのだ」
「だが、その強制環境の中でさえ、多くの者が未だ自らを律することが出来ずにいる」

「今、強制のタガが外れれば、人類は宇宙規模に広がった、悪性のガン細胞と化す」
「私は、人の理性が生み出した最後の砦、現SD体制を守りぬかねばならない」


人間は、矛盾する存在。

本能を地盤とし、理性も持つ。
本能が生命を維持しようとし、理性が社会を維持しようとする。

本能は純粋な赤ん坊のようなもの、
欲しい欲しいと、ねだる。

理性はそれを制御する。
関係や社会を維持するため。

本能は、原始的、動物的な性質・能力。
理性は、人間が得た、新たな性質・能力。


本能、内から溢れ出るもの。
理性、上から抑えるもの。

本能、生まれながらに持っているもの。
理性、成長と共に、育てるもの。


本能がなければ、生命活動は維持できず、
例え維持できたとしても、あまりに無味乾燥で、
人間らしくなくなる。

理性がなければ、社会活動は維持できず、
例え維持できたとしても、あまりに野蛮、動物的で、
人間らしくなくなる。


本能、コントロールしきれぬもの。
理性、コントロールしようとするもの。

相反する、二つのもの。

欠けることのできない、
人間の、
要素。



ジョナ・マツカ――
「キース、人間とミュウは、本当に相容れないのでしょうか?」


フィシス――
「私たちは、組織のために生きているのではありません」
「人には、必ず死が訪れます」
「その時に、次の世代に残せるものは、自らの知識と思いと、わずかな希望、そして――残された者は、先人の思いを指標として、その先を目指すのです」



地中深くに降り立った、
キース・アニアンとジョミー・マーキス・シン。

それぞれの長。

相容れない、ふたり。


そこには巨大な、太母の像が。

すべてを保護する、母なるもの。
すべてを監視する、大きな目。

その前で、ふたりは…

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