日本以外の世界の土地を張り合わせると、日本地図のようなものになり、これは偶然ではなく連動しており、日本を手本にして世界のあらゆる事象がおきている・・・という日本雛型論をこの前初めて聞きました。

ちょっと非常に都合がよすぎる解釈というか、何か恥ずかしいというか、他の国の人に聞かれたくないです、しかも戦前とか結構前から言われていることで、まあ愛国心というかよくやるなぁ、と思いましたが、もし日本雛型論が本当であるとしたら、とふと思ったことが1つあります。

「江戸」という言葉です。江戸は東京の旧称で、明治元年に江戸は東京に改称され日本地図からその名は消えました。でも、江戸は明治政府は消したくてしょうがなく、実際消えたはずの言葉なのに、人は今でも江戸っ子だの江戸の文化だの都営大江戸線だの、江戸江戸、聞かない日はないぐらい目にします。だから江戸は雛型なのでしょう。

江戸は「穢土」と同じ音。私はその言葉の発生から疑問に思っていました。穢土幕府なんて縁起が悪すぎる。そもそも秀吉に左遷されて来たのが発端なんだから、江戸なんて名称、徳川家と何の関係もないし別の地名なんていくらでもあったはず。当時の人って今より縁起をかつぐことに躍起だったと思うんです。なんで江戸幕府。しかも明治政府が消した後も。そう。150年前に消えたんですよ。京都や鎌倉はいいんです。現役なんだから。

江戸は雛型なんですかね。穢土に住んでる身には親しみがあるんですかね。穢土ではなく、できれば浄土に住みたいですよね。浄土の雛型は、「譲渡」だと思うんです。穢土の中に浄土があるとしたら、それは土地ではなく行為なんだと思うんですよ。

なんでも人に譲ってあげる。年寄りの得意技は場所取りだけど、それは穢土ならではの行為。なれの果て。
なにかつまらないことがあっても、人の代わりに自分がなってあげた、と思える心の余裕を持ちたい。
　
「身つよき人も心かひなければ多くの能も無用なり」
いくら身体が強い人でも心に甲斐がなければ多くの能力も何の役にも立たない。