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ギトンのあ-いえばこ-ゆ-記(旧)

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ここは、2015.3.10.までの過去日記倉庫です。

2015/02/26(木)
「なぜミヤケン?(1)」

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こんばんは。。。





Eブックの《あとがき》(⇒http://id43.fm-p.jp/530/giton/index.php?module=viewbk&action=ppg&stid=5&bkid=1012032&pgno=2&bkrow=0)にも書いたのですが、完結したあとで直すところも多くて、この1週間は直しで明け暮れていました。。。 《小岩井農場・パート1》のアンデルセン童話「うぐいす」のところを直していて、とてもその場所にはおさまらないので《補論》を書きました(⇒http://id43.fm-p.jp/530/giton/index.php?module=viewbk&action=ppg&stid=5&bkid=1012032&pgno=5&bkrow=0)。たった2行のカッコ書きに、こんなすごい内容をおさめているなんて‥ 調べてみて驚いています。

《序説》も、3年ぶりに見直して、結論のところだけですが、かなり補充しました:⇒http://id43.fm-p.jp/530/giton/index.php?module=viewbk&action=ppg&stid=3&bkid=990138&pgno=5&bkrow=0




さいきん不思議に思うのですが、写真を見るとちっともギトン好みでない(笑)坊主頭の仏僧然としたこの人が、なんでこんなに興味をそそるのだろう‥ということがあります。とにかく、『春と修羅』1冊に2年も3年もかけてしまったのですから、どうしてこんなことをしているのか分からない‥というのが正直なところです。。。

ギトンの場合、人物よりも作品が──とくに、世間でよく読まれる童話より詩のほうが──魅力なのだと思いますが、‥発行(1924年)から100年近くたっていて、その間に、もっと新しくておもしろいものがありそうなのに、なぜ宮沢賢治?‥



まったく個人的に“宮沢賢治のどこが?”を語るなら‥ 大きく言って2つの点が惹きつけていると思います:


@ 一つは、「小岩井農場」の気象観測台の風力計が、『銀河鉄道の夜』の《アルビレオの観測所》の二重変光星になるとか。。。 ふだん誰もが見ているような景物とか身近な自然風景の中に、驚くような輝くモチーフを見出して行く・その“眼”と言ったらいいんでしょうか。。。 栗谷川さんが、宮沢賢治は《異界》を見る《見者》だったと言っているのも、それと関係があるんだと思います。
  ただ、賢治の“文学”の始まりと言われる中学時代から、この『春と修羅・第1集』のころまでは、いわば準備期で、そうしたたくさんのモチーフを、つぎつぎに取り入れて溜め込んでいた時期ではないかと思います。まだ、完全に開花するには至っていない。ですから、モチーフ自体が、まだそんなにキラキラしてはいません。↑上の“風力計”もそうですけれども。
  ‥なので、『第1集』だけを扱ったEブックでは、この点は余りよく分からないと思います。取り入れられたモチーフは、残らずテキストから選りだして注意を促すようにしてはいるのですが。。。

A もうひとつは、「起源への遡行」とか、「判然としない未分化なもの」とか言われるものが、この人には備わっています。草下英明さんが「原始人の感覚」「子供の発想」と言っているのもそれです。たとえば、「小岩井農場」に出てきたウグイスのところで言うと、畑で5月の陽射しを浴びながら人が馬耕をしている、その背景に新緑を帯びてきた「ひわいろ」の山があり、そのまた向こうの「ずっと遠く」の暗がりで、ウグイスが「ごろごろ」啼いていると言うんです。。。 「ごろごろ」では、ウグイスなのかどうか‥、それどころか、鳥かどうかも分かりません。つまり、人が認識して「うぐいす」と名づける前の何かなのです。そういうものを、見逃さずにとらえる感覚が、この人にはあるんですね。
  ただ、そういうのは、賢治の作品としても、主要な流れをなしてはいないので、詩の流れを追って読んでいると見逃しやすい。。。また、解説に入れにくいんですね。気がつくたびに、Eブックでは、(注) の形にしたりして、できるだけ触れるようにはしたのですが、十分には書けなかったと思います。






ばいみ〜 ミ
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