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ギトンのあ-いえばこ-ゆ-記(旧)

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ここは、2015.3.10.までの過去日記倉庫です。

2015/02/07(土)
「花巻・盛岡紀行───南昌山と毒ヶ森」

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こんばんは。。。






紫波山塊の毒ヶ森は、盛岡から花巻へ行く途中の東北本線からもよく見えます。

↓この写真は、走ってる電車から撮したもので‥、それにしては綺麗に撮れました(^^)/




右から順に、赤林山、毒ヶ森(小さめで突出している山)、南昌山(なんしょうやま)、大石山です。



これらの峰は、裏っ側の《七ツ森》からでも、よく見えます。ちょうど左右が逆になって、まったく同じ形の峰が並んでます。。。

表から見ても、裏から見ても、形が同じっていうのも面白いです…



「毒ヶ森
 南昌山の一つらは
 ふとおどりたちてわがぬかに来る。」(歌稿B 240)



「西は箱ヶと毒ヶ森 椀コ 南昌 東根の

 古き岩頸(ネック)の一列に 氷霧あえかのまひるかな」(文語詩「岩頸列」)




東根山は、写真の左側に切れて見えませんが、南昌山の南に並ぶ山です。



↑「椀コ」が、どの山を指すかは、いろいろな説がありますから(笑)

大石山だという説、赤林山だという説、南昌山の後ろにある小さなピークだという説…


赤林山は、↓この写真で見ると「わんこ」には見えませんが、角度によってはたしかに釣鐘型に見えるんです。


これらの山の中で、登って面白いのは赤林山だと思います。自然林に被われていて、しかもギャップ(倒木が集中して空があき、日が差し込んでいる場所)がところどころにあって、そういう場所では高山植物がどっさり花をつけています。

‥準高山植物と言ったほうがいいかな。。。 イワカガミ、イワウチワ、ショウジョウバカマ、キケマン、とかです。


ギトンも、紫波山塊を2回ほどうろうろして、植物に関してはずいぶん勉強させてもらいました。もう何年も前ですけどね。。。 そのころは、盛岡に来ても、ミヤケン詩跡をめぐろうなんて思わなかったw


さいきん、詩跡めぐりを始めたのは、元彼の まーくんの影響で寺社めぐりに抵抗がなくなったのと、Eブックの連載で写真が必要になったからなんです。。。




それから、赤林山と箱ヶ森のあいだの乢(たわ:峯と峰の間の低い場所)に、日本一のブナの巨木があります。梢はいくつかの木に分かれてますが、地上ではくっついてるので、胴回りの太さは日本一だそうです。


そこからは、岩手山もよく見えて、なかなかの絶景なんですが。。。 デジカメになる前だったので、写真をお眼にかけられないのが残念です。
また行ってみたいですね…



「箱ヶ森
 みねの木立にふみ迷ひ
 さびしき原をふりかへり見る。」(歌稿B 482)

「箱ヶ森
 あまりにわぶるその木立
 鉛の海をなほ負ふごとく」(歌稿B 484)



紫波山塊の峰の中では、箱ヶ森がいちばん高く、険しいです。まぁ‥登山として登るんなら箱ヶ森でしょうね。登山口は盛岡市のほうで、登る途中に、若木ばかりのきれいなブナ林とかあって、山の楽しみには事欠かないです。。。



「箱ヶ森
 たやすきことと来しかども
 七つ森ゆゑ
 得越えかねつも」(歌稿B 483)

「七つ森
 青鉛筆を投げやれば
 にはかに
 機嫌を直してわらへり。」(歌稿B 489)


これは↑、箱ヶ森と《七ツ森》を詠んだ歌が並んでるんですけど‥、“七ツ森を越えて箱ヶ森に登ろうとしている”と解釈する人がいるんですね。。。 それはいくらなんでも、ありえないです。現地に来て見れば分かりますけどw

箱ヶ森は、盛岡から(いま簡易保険ホテルがあるほうから)直接登るのがふつうですし、わざわざ繋温泉のほうへ回って、そっち側から道なき道を登ったとしても、七ツ森は麓を素通りになります。越えませんw

「得越えかねつも」は、箱ヶ森を越えて赤林山のほうへ、あるいは南昌山へ縦走しようとしているんだと思います。

箱ヶ森は、登りがきついので、山麓に自動車を止めて往復ピストンする人が多いですけど、‥もったえないですw ‥健脚ならば、箱ヶ森→毒ヶ森→南昌山まで1日で縦走するのはたやすいです。ギトンは、朝のバスで簡易保険前で下りて、南昌山麓の矢巾のバス停で午後4時すぎのバスに間に合いましたからww

↑賢治の歌は、箱ヶ森の上から、あるいは山腹から、下界の七ツ森を見下ろしているんだと思います。

「青鉛筆」は、雲が晴れて青空が見えたので、七ツ森の姿も明るくなり、「機嫌を直し」たということでしょう。
空が暗いと、遠くまで縦走しようという気が萎えますけれども、晴れてくると脚も元気になります。

しかし、それを、“七ツ森が気がかりで、峰を越えられない”と詠んだのは、ただのメタファーではなくて、誰か下界にいる人恋しさだと思います。

嘉内と二人で岩手山に登った、きのうの歌と、比べてみてください‥!




「薄明の
 寒天のなかにつゝまるゝ
 白雲と河と
 七つの丘と。」(歌稿B 218 初期形)


↑これは美しいですね。箱ヶ森付近から、夕日に包まれる《七ツ森》を俯瞰しています。。。













ばいみ〜 ミ
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