無料ケータイHP

ギトンのあ-いえばこ-ゆ-記(旧)

累計アクセス:500487
ここは、2015.3.10.までの過去日記倉庫です。

2015/02/06(金)
「花巻・盛岡紀行───岩手公園のアーク灯」

.
こんばんは。。。





盛岡城址(岩手公園)‥‥もう少し続けます。





「暮れざるに
 けはしき雲のしたに立ち
 いらだち燃ゆる
 アーク燈あり」(歌稿B 653)

「燃えそめし
 アークライトは
 黒雲の
 高洞山を
 むかひ立ちたり」(歌稿B 655a656)






岩手公園のアーク灯は、昔の形を復元したのが立ってました(↓写真)。もちろん、今の中身はアークじゃなくて電燈でしょうね。



アーク灯は、ランプや囲炉裏の焔と、電球や蛍光灯との中間にある灯りで‥、炎はないけれども、電気のような無機質な灯りではなくて、動いたり揺れたりするんですね。

たしか、横浜には、いまでもアーク灯をともしてる場所があるそうです。



‥だから、ミヤケンも、アーク灯には、とくべつ感じることがあったはずです。燃え盛るんではないけれども、おちついて、じっと、暗黒のそらに対峙するような……



ミヤケンの生きた時代は‥、囲炉裏の火から、ランプへ、ランプからガス灯‥ →アーク灯 →電燈へと 照明器具が次々に入れ替ってゆく時代にあたってたんですね。なので、燈火とひとくちに言っても、照明器具の違いによる感じ方の違いに、とても敏感なんです。。。



そういう火に対する敏感な観察が、たいまつの火に対しても適用されると:




「柏原ほのほ絶えたるたいまつをひたすら吹けば火とはおもほえず」(歌稿A 547)

「柏ばら
 ほのほたえたるたいまつを
 ふたりかたみに
 吹きてありけり」(歌稿B 547)

「松明[たいまつ]が
 たうたう消えて
 われら二人
 牧場の土手のうへに登れり」(保阪嘉内)

「かしはゞらみちをうしなひ
 しらしらと
 わたる銀河にむかひたちけり。」(歌稿B 527)

「ましろなる
 火花とゞろに
 空は燃ゆる
 霧山岳の
 風のいたゞき」(歌稿B 549)


「霧山岳」は、岩手山の古名だそうです。










さいごに、岩手公園を、もう1首:



「青みわび流るゝ雲の淵に立ちて六月に入る薄明のぶな」(歌稿A 652)



6月は、ブナの新緑の季節です。城址から見える山の稜線が、ぼんやりと薄緑に染まるさまを、悲しがっていると感じる感性は、やっぱり独特です。『歌稿B』だと、↓こうなります:


「青黝み 流るゝ雲の淵に立ちて
 ぶなの木
 薄明の六月に入る」(歌稿B 652)
















ばいみ〜 ミ
.

Image

ログイン


無料ケータイHP


FC2無料ケータイHP