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ギトンのあ-いえばこ-ゆ-記(旧)

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ここは、2015.3.10.までの過去日記倉庫です。

2012/01/18(水)
「夜明けの星(1)」

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賢治の詩を読んでみたいと思います

http://blog.crooz.jp/gitonszimmer2/ShowArticle?no=30

最初の数字は賢治が付けていた作品番号。
「一九二五、一、六、」という日付もついています


賢治は当時、花巻農学校の教師をしていましたが
前年1924年には、生徒の修学旅行(観光地めぐりではなく各地の農事試験場や工場を見学する文字通りの修学旅行w)を引率して北海道へ行ったほか、近在や北上山地へ出かけたり、活発な動きが見られます
修学旅行での見聞から、地域の農民を集めて童話「ポラーノの広場」のような「産業組合」を作る構想をしたり
じっさいに会合をもったようです
しかし、「産業組合」構想はうまく進まなかったようで
24年10月ころには、絶望的な気持ちに陥っていました
同時に、実体不明ですが、恋にも悩んでおり、他方、1922年に亡くなった妹への断ちがたい思いもときどき顔を出しています
明けて1月5日、(おそらく突然思い立って)八戸〜種市間が開通したばかりの八戸線を利用して、三陸海岸への一人旅に出かけたのです

http://blog.crooz.jp/gitonszimmer2/ShowArticle?no=29

↑最初の画像が、この時の賢治の行程です
(八戸の下の最初の赤い●が種市)

6日朝6時ころ種市駅に降り立った賢治は徒歩で海岸沿いに南下します
まもなく、東の海に(曇りがちの天気…)日が昇り夜が明けるようすが
この詩「暁穹への嫉妬」の中では


……雪をかぶったはひびゃくしんと
  百の岬がいま明ける
  万葉風の青海原よ……


と描かれています
ハイビャクシンは、匍匐性(マット状に地面に広がって生える)の針葉樹。深くはないが雪が積もっているのがわかります
「百の岬がいま明ける」と言っていますが
地図を見ると、種市の近くから三陸のたくさんの岬は、たぶん見えないのですね
それでも賢治は、(この詩の習作を見ると)海岸の丘に上がって太平洋を望みながら
たくさんの岬に夜が明けるようすを想像したのだと思います


さて、この詩の登場人物は

「サファイア風の惑星」

「あけがたのそら」

「ぼく」=賢治

の3人。ほかに「草刈」が出て来ますが、これは賢治内部のもうひとりの声(分身)でしょう。


今夜はこのへんで…
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