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EDD日記dr

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他じんせいのくのうなど。

2011/04/22(金)
「ひも」


「午後8時31分を想起させるナンバープレートだ。」と思いつつ、おれが車に乗り込んだのは午後5時24分のことで、そして金曜日のことである。(余談だが金曜日というのは翌日の土曜を想像させるたいへん縁起のいい曜日である。)
駐車場からは一本の桜が見える。桜はそろそろ盛りを過ぎつつあり、花びらを散らすのに比例して がくの赤が目立つようになってきた。まるで血走っているようですこし怖い。

おれは雨にけぶる街をドライブして帰る。ワイパーを動かしつつ、方向指示器”ウィンカー”も動かしたりし…(余談だが、ウィンカーのことを”アポロ”と呼ぶ地域があるという噂を聞いたことがあるが真だろうか。アポロ…?まぁいい。どうでも。)

おれは運転に集中しながらも、頭のどこかは自由である。仕事のことを考える必要を失った脳は、記憶の底から適当に語句をさらってきては、精神に提示する。ひまなとき無意識に私がいつもやるゲーム。
子どもが浜辺に押し寄せる貝殻やペットボトルのゴミをいちいち拾っては親にこれはなに?と尋ねるような。
親はいちいちそれらがなんなのか、考えてみたりする。「ペットボトル」がこの無意識の浜辺に落ちている理由は、〜さきほど退社時に「アクエリアス ビタミンガード」の空容器を「ペット」と書かれたゴミ箱に投げ込んだ行動が残した印象〜であろう。などと理由を説く。一応にも満足のいく理由がつけばそこまででこの遊びは一度終わる。そしてまた子どもは何がしかを拾ってくる。それはなんら展望や生産性をもたない脳と精神の戯れである。
次に拾われてきたのはしかし、想像もしないものだった。「いぶらひもびっち」…イブラヒモビッチ…この響きはなんだかよくわからないがこらえきれない感情をもたらす。たとえば給食の牛乳など飲んでいるときにふと「イブラヒモビッチ…」などと呟かれたら、おれは即座に牛乳を口から溢してしまうかもしれない。そんな気さえする。
なんといおうか。”ひも”というのがおかしい気もする。人名のなかに密かに潜り込んだ”ひも”。糸でも縄でもない。ロープでもない”ひも”。ひも。ひも…そういえば”超ひも理論”とかはじめて聞いたときに「新手のうけねらいか」と思ったことを記憶している。


…というような頭の疲れることを無意識にこなしながら、自動車と私は家に帰りつく。車を降りる。雨にけぶっている。遠く山桜はまだきれいに咲いているようだ。今日は金曜日。明日は休みである。

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